

生肉食(BARF・ローフード)なのに、なぜ筋肉がつかないの?

「高タンパク=筋肉がつく」という考えは正しいの?

食事を増やすと便が崩れる場合、どう考え直すべき?

走らせているのに、なぜ筋肉が増えないの?

全力スプリントの回数を増やすほど筋肉はつくの?

筋肉を“つける側”に切り替える具体的な手順は?
こんな疑問・悩みを解決します。
1.生肉食なのに筋肉がつかない本当の理由
2.ウィペットの筋肉が増えにくく落ちやすい身体構造
3.タンパク質は足りているのに筋肉が減るメカニズム
4.全力で走らせても筋肉が増えない理由
5.筋肉を落とさないために最優先すべき回復設計
6.筋肉が“ついていく側”に回るための再設計プロトコル
この記事では、生肉食を実践しているのに愛犬に筋肉がつかないと感じているオーナーさんへ、その原因を「肉の質」ではなく神経・回復・刺激・エネルギー設計のズレから解き明かし、筋肉が自然と“ついていく考え方を紹介していきます。
記事を読み終えた時に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

この記事の結論
生肉食(BARF・ローフード)をしているのに筋肉がつかないとき、原因の多くは「肉の質」でも「タンパク質不足」でもありません。
ウィペット/サイトハウンドの競技犬で起きがちな本質は、筋肉が作られないのではなく“維持できていない”ことです。
具体的には、筋タンパク合成(MPS)より筋タンパク分解(MPB)が上回る状態、もしくは神経疲労・回復不全によって「筋肉を使い切れず、修復で終わってしまう状態」が続いています。
この問題を解決する鍵は3つです。
- 筋合成を発火させる(MPSを上げる):食事で“合成のピーク”を作る
- 筋分解を抑える(MPBを下げる):回復(睡眠・鎮静)とストレス管理
- 刺激→回復→栄養を同期させる:全力スプリントを増やすほど筋肉が増えるとは限らない
この記事は「生肉食で筋肉がつかない」を、ウィペット/サイトハウンドの体の仕組み(神経・代謝・筋線維)に合わせて、再現性ある設計に落とし込みます。
前提知識|「筋肉がつく」とは何が起きているのか(MPS/MPB)
筋肉量は、次の差分で決まります。
- MPS(Muscle Protein Synthesis)=筋タンパク合成
- MPB(Muscle Protein Breakdown)=筋タンパク分解
- 筋肉が増える=MPS − MPB がプラス
- 筋肉が落ちる=MPS − MPB がマイナス
生肉食の落とし穴は「MPSを上げればOK」だと思いがちなこと
生肉食をしていると、どうしても「タンパク質は十分だから筋肉は増えるはず」と考えやすいです。
しかし競技犬では、MPSを上げるより先に、MPBが上がってしまう生活要因が入りやすい。
ウィペットは“筋肥大”より“神経最適化”に適応しやすい
ウィペット/サイトハウンドは、ボディビル型に大きくするより、神経入力(運動単位の動員)とフォームの最適化で出力を出す方向に適応が寄りやすい犬種です。
そのため、筋肉の「見た目」だけを追うとズレます。狙うべきゴールは、体重増ではなく次です。
- 張り(ハリ)
- 輪郭(アウトライン)
- 触ったときの密度(スカスカ→詰まってくる)
- フォームの安定(左右差の減少)
- 回復の速さ(翌日の張りが減る)
ローツェ見た目のムキムキより、走りに使える筋肉をつけようね!って話だよ!
ウィペット/サイトハウンドの筋肉が「増えにくく落ちやすい」理由
理由① 速筋(Type II)寄りの使い方=回復要求が大きい
スプリント犬は瞬発出力が強く、速筋の使用比率が高くなりがちです。
速筋は強い刺激に反応しますが、同時に回復要求が大きい。
回復が追いつかないとMPBが上がり、筋肉が落ちます。
理由② 神経疲労で「筋肉を使えない」→筋肉が育たない
筋肉は“使われた部位が”適応します。
神経疲労が強いと、
- 動員できる運動単位が減る
- 速筋が使えない
- フォームが崩れて無駄な損傷が増える
結果、栄養が「肥大」ではなく「修復」に吸われます。
理由③ 交感神経優位(興奮)になりやすく、回復が浅くなる
競技環境(遠征・会場・刺激・多頭)で交感神経が上がると、
- 睡眠が浅くなる
- 食欲が不安定になる
- 回復が遅れる
これだけでMPBが優位になり、筋肉がつきにくくなります。
ローツェ神経疲労を回復するためには、質のいい睡眠が一番だよ!
睡眠について詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
誤解されがち|「生肉食=筋肉がつく」は半分正しく半分誤解
生肉は“素材”であって“設計”ではない
筋肉を育てるのは、生肉という素材ではなく、
- どの栄養を
- いつ
- どのくらい
- どんな刺激と同期させるか
という「設計」です。
赤身中心は“ヘルシー”でも“競技犬に不利”になることがある
赤身中心は一見正しく見えますが、競技犬では
- 総カロリー不足
- 脂質不足
- 回復遅延
につながりやすい。
結果として、タンパク質が筋肉に回らず燃やされます。
ローツェ脂質は悪者に感じるかもしれないけど、使い方次第なんだよ!
原因の核心①|「タンパク質が燃料にされている」状態(エネルギー不足)
筋肉がつかない競技犬で一番多いのがこれです。
高タンパクでも総カロリーが足りないと筋肉は増えない
体はまず生命維持のためにエネルギーを確保します。
総カロリーが不足すると、タンパク質は筋肉合成ではなく、エネルギーとして使われやすくなる。
脂質を削ると“筋肉の材料”が“燃料”に回る
脂質が足りないと、体はタンパク質を燃料として使う比率が上がります。
つまり、
- 肉を増やす
- でも脂質が薄い
だと、筋肉が増えないまま「食費だけ増える」現象が起こります。
炭水化物は「ゼロか100か」ではなく“タイミング栄養”で考える
炭水化物を完全に排除すると、運動後の回復(特に解糖系の回復)が遅れ、ストレス反応が強くなることがあります。
競技犬では、炭水化物を「常に入れる」か「一切入れない」ではなく、練習日・競技日・回復日で使い分ける設計が合理的です。
ローツェカリカリフードには炭水化物が入っているから、カリカリフードもうまく使い分ける方がいいかもね!?
フードについて詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
原因の核心②|脂質不足(ウィペットでは特に致命的)
脂質=太る、はウィペットでは成立しないことが多い
ウィペットは代謝が高く、運動量が多いと脂質を燃やしやすい。
脂質を削ると、筋肉の維持が崩れて細くなります。
脂質は「筋合成のエネルギー」「ホルモン材料」「神経の安定」
脂質が不足すると、筋合成に必要なエネルギーが枯渇し、回復が遅れます。
また神経伝達が不安定になり、出力も落ちる。
出力が落ちると刺激が弱くなり、筋肉が育ちません。
誤解しやすいポイント
- 誤解:脂質を減らせば身体が軽くなり速くなる
- 実際:脂質不足で筋肉が落ち、出力が落ちて遅くなる(または怪我リスクが上がる)
ローツェ脂質をエネルギーとして使えるようにしないとダメなんだね!?
原因の核心③|消化吸収ボトルネック【「摂取」≠「利用」】
便が崩れるなら「増量」ではなく「設計変更」が先
筋肉がつかない→肉を増やす→便が崩れる→吸収が落ちる→さらに増えない。
このループが多いです。
生肉食で吸収が詰まりやすいポイント
- 一度に与える量が多い
- 脂質の増やし方が急すぎる
- トライプや乳製品(ゴートミルク)が体質に合っていない
- 練習直後に重い食事を入れて胃腸が追いつかない
初心者が誤解しやすいポイント
- 誤解:「いい食材なら多いほど良い」
- 実際:吸収できない量は“筋肉にならない”どころか腸を荒らして逆効果
ローツェうんちは健康のバロメーターだから、よく観察してあげてね!
原因の核心④|刺激の質のズレ
全力スプリントは「神経刺激」と「損傷」が強い
全力走は確かに重要ですが、頻度が上がるほど回復が追いつかず、MPBが優位になりやすい。
筋肉を増やしたいなら「神経刺激日」と「容量日」を分ける
- 神経刺激日:短本数・高強度・キレ重視
- 容量日:中強度・反復・フォーム重視
- 回復日:徹底的に回復
この設計が、筋肉を「増やす方向」に寄せます。
マニアック補足|“減速筋”と“支持筋”が筋肉維持の鍵
スプリント犬は加速だけでなく、止まる・曲がる・姿勢を保つ筋が大きい。
ここが弱いとフォームが崩れ、損傷が増え、筋肥大に回りません。
ローツェトレーニングで全力疾走ばかりしていても筋肉は育たないんだね…
原因の核心⑤|回復不足(睡眠・鎮静・ストレス)
筋肉は「副交感神経優位」の時間に作られる
睡眠が浅い、興奮が抜けない、夜間に刺激が多い。
これだけで筋合成が伸びにくくなります。
競技犬は「生活ストレス週」に筋肉が落ちやすい
遠征・大会・環境変化で交感神経が上がる週は、筋肉が増えるより落ちる方向に傾きやすい。
ここを読めるかどうかが、競技犬の食事設計の分かれ目です。
初心者が誤解しやすいポイント
- 誤解:「寝てる時間は長いから回復している」
- 実際:重要なのは“睡眠の質(寝入り・中途覚醒・深さ)”であり、興奮が残ると回復できない
ローツェ遠征に行く時にでも、クレートの中でゆっくりできて、睡眠を十分にとることが肝心なんだね!?
クレートについて詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
超実践|「筋肉がついていく」状態を作る三原則
原則① MPSを発火させる“合成ピーク”を作る
小分けで消化が楽でも、合成スイッチが弱くなることがあります。
そこで、1日の中に「合成が立つ食事」を意図的に作り、他はサポートに回す。
ポイント
- 合成ピークの食事には、タンパク質だけでなく燃料(脂質/必要に応じ炭水化物)をセット
- タンパク質が燃えず、合成に回りやすい環境を作る
原則② MPBを落とす
筋肉を増やす前に、まず落ちるのを止める。
回復不足があると、栄養は肥大ではなく修復に吸われ続けます。
ポイント
- 練習後の鎮静ルーティンを固定する(興奮を翌日に持ち越さない)
- 睡眠環境を最優先で整える
- 張り・左右差が出たら増量や強度アップをしない
原則③ 刺激→回復→栄養を同期させる
同じ刺激を毎日入れると、適応せず壊れ続けます。
週で「狙う適応」を分割する。
週設計テンプレ
- 神経刺激日:短本数・高強度・フォーム崩れない範囲
- 容量日:中強度・反復・支持筋と体幹を崩さない
- 回復日:散歩+可動域、興奮を抜く
- 完全休養日:睡眠を取りに行く
ローツェトレーニングを頑張って、夕食に脂質になるフードをトッピングして、質のいい睡眠をしてもらうと、筋合成が始まるんだね!?
タイプ別の原因診断マップ
タイプA|体重が増えない・締まりも出ない
→ 総エネルギー不足(脂質不足/摂取が薄い)
タイプB|体重は維持なのに細く見える、走りが鈍い
→ 回復不足/神経疲労(睡眠・興奮・遠征)
タイプC|体重は増えるのに“筋肉っぽくない”
→ 刺激の質のズレ(容量・支持・体幹が足りない/単調)
タイプD|食事を増やすと便が崩れる
→ 消化吸収ボトルネック(脂質の入れ方・量・頻度の設計)
ローツェ複合的に絡み合ってる場合もあるから、冷静に分析してね!
2週間で原因を割り出す「検証プロトコル」
まず測る・記録する
- 体重:毎日同条件
- 便スコア:1〜5で記録
- 走行の主観:出だし/ピーク/持続
- 触診メモ:張り・左右差
- 睡眠:寝入り・中途覚醒の回数
Week1(分解を止める):エネルギー&回復を先に整える
- 食事:赤身偏重をやめ、脂質を急がず分散して戻す
- 生活:鎮静ルーティン・睡眠環境の固定
- 練習:全力頻度は増やさない(むしろ抑える)
Week2(合成に回す):刺激の設計を変える
- 神経刺激日:短本数・キレ重視
- 容量日:中強度・反復・フォーム
- 回復日:徹底回復
ローツェ私は、毎日の食事量、うんちの状態、毎日決まった時間に体重を測ってもらって全部記録してもらってるよ!
うまくいっているかの判定(体重より重要な5指標)
筋肉が“ついていく”ときに先に変わるのは、体重ではなく次です。
- 触ったときの密度(詰まってくる)
- 走り出しが軽い
- ピークの再現性が上がる
- 翌日の張りが減る
- 便が安定する
この5つが揃ってきたら、筋肉が増える方向に入っています。
ローツェ筋肉は脂肪より重いから、見た目が痩せてきて体重が同じなら、間違いなく筋肉がつきだしてる証拠だからね!
ハマりやすい「誤解・落とし穴」まとめ
落とし穴① 肉を増やせば筋肉が増える
→ 吸収できない量は筋肉にならない。
まず便と回復を安定させる。
落とし穴② 脂質は太るから削る
→ ウィペットでは脂質不足で筋肉が落ち、出力が落ちやすい。
落とし穴③ 全力走を増やせば筋肉が増える
→ 全力走は損傷と回復要求が大きい。
週設計で“適応”を分ける。
落とし穴④ 寝ている時間が長いから回復している
→ 大事なのは睡眠の質(寝入り・中途覚醒・深さ)。
興奮を抜く設計が必要。
落とし穴⑤ 炭水化物は悪だからゼロが正解
→ 競技犬ではタイミング栄養が鍵。
ゼロ/100思考は設計を硬直させる。
ローツェ困った時には冷静に俯瞰で見て、原因を追究していってね!
まとめ|生肉食で筋肉がつかない問題の正体と解決の道筋

生肉食(BARF・ローフード)を取り入れているにもかかわらず、ウィペットやサイトハウンドの筋肉が思うようにつかない、あるいは以前より細くなったように感じる場合、その原因は単純なタンパク質不足や肉の質の問題ではないことがほとんどです。
特にルアーコーシングやスプリントといった高出力運動を行うウィペットは、神経優位・速筋主体という身体構造を持ち、筋肉を「増やす」よりも「維持すること」の難易度が高い犬種です。
本記事で解説してきた通り、筋肉がつかない本当の理由は、エネルギー不足(脂質・総カロリーの不足)、回復設計の甘さ(睡眠・鎮静・神経疲労)、刺激のズレ(全力走偏重で適応が起きない)、そして消化吸収や生活ストレスといった複合的な要因が重なり、筋タンパク合成より筋分解が優位になっている状態にあります。
生肉食で筋肉を育てるために本当に重要なのは、「肉を増やすこと」でも「もっと走らせること」でもなく、栄養・刺激・回復を同時に噛み合わせる“設計”を整えることです。
まずは筋肉が落ちる要因を止め、回復を最優先し、その上で神経刺激日と容量日を分けたトレーニングと、エネルギーを満たす食事を同期させることで、筋肉は徐々に“ついていく側”へと切り替わっていきます。
体重の増減だけで判断する必要はありません。
触ったときの密度、走り出しの軽さ、ピークの再現性、翌日の張りの抜け方、便の安定――こうした小さな変化こそが、正しい方向に進んでいるサインです。
一度にすべてを変えるのではなく、観察し、記録し、段階的に調整することで、ウィペット本来の機能的な筋肉は必ず戻ってきます。
焦らず、じっくりと愛犬を観察して最適解を見つけてあげてください。
あなたの愛犬が健康に暮らし、あなたと一緒に最高の思い出ができることを願っています。
ローツェ最後まで読んでいただきありがとうございました。
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