

ワクチンはいつからいつまで?何回必要?

1回目が終わったけど、外に出していいの?歩かせていいの?

抱っこ散歩・地面に降ろす時期が分からない

ワクチン後にお散歩・運動・シャンプーはしていいの?

社会化の黄金期とワクチン制限がぶつかって混乱している

先住犬がいる場合の接触や遊ばせ方はどうしたらいい?
こんな疑問・悩みを解決します。
1.子犬のワクチンはなぜ必要なのか
2.子犬の予防接種スケジュールと最終接種の意味(生後6〜16週)
3.副作用の見極めと危険サイン
4.ワクチン接種後の運動・シャンプー制限と安全管理
5.社会化の黄金期とワクチンの両立
6.コア・ノンコアワクチンの選び方
この記事では、子犬のワクチン時期・副作用の見極め・運動とシャンプー制限・社会化の進め方を一つに整理し、初めての子育てでも迷わず健康と心の成長を守れる方法を紹介していきます。
記事を読み終えた時に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

子犬の予防接種がなぜそれほど重要なのか
命に関わる感染症から守る「保険」
子犬のワクチンは、単なる「念のため」ではなく、
- 高い致死率をもつウイルス感染症
- 回復しても後遺症を残しやすい病気
- 人にも感染し得る人獣共通感染症(狂犬病など)
から守るための「命の保険」です。
代表的な病気は:
- 犬ジステンパー:発熱、鼻水、目ヤニ、下痢、咳、けいれんなど。生き残っても神経後遺症が残ることがあります。
- 犬パルボウイルス感染症:激しい嘔吐と血便、重度の脱水。子犬では致死率がとても高い病気。
- 犬アデノウイルス(伝染性肝炎):肝障害や出血、眼の混濁など。
- 狂犬病:発症したらほぼ100%死亡する、人にも感染する病気。多くの国で法律によるワクチン義務があります。
これらのリスクを考えると、「怖いから打たない」より「正しく理解して、安全に打つ」方が、愛犬を守る現実的な選択になります。
母子免疫と「ワクチンが効きにくいスキマ期間」
子犬は、生後すぐに母犬の初乳(コロストラム)から抗体(免疫)をもらいます。
これを「母子免疫(移行抗体)」といい、生後数週間〜数ヶ月ほど子犬を守ってくれます。
しかしこの母子免疫にはやっかいなポイントがひとつあります。
- まだ母子免疫が強く残りすぎているとき
- → ワクチンを打っても、母由来の抗体がワクチン成分を打ち消してしまう
- 逆に、母子免疫がほぼ消えたあと
- → ウイルスに対して無防備になってしまう
この、
「感染症には弱いのに、ワクチンにも十分反応しない」
あいだの時期を、感受性の窓(window of susceptibility)と呼びます。
このタイミングには個体差が大きいため、1回のワクチンでは取りこぼしが出てしまうのです。
ローツェ1回目の注射は、ママから貰った免疫との闘いがあるんだね!
子犬の予防接種スケジュールの基本
ここでは、日本でよく行われる一般的なモデルを示します。
※必ず実際のスケジュールはかかりつけ獣医師と相談のうえ決めてください。
標準的なワクチンスケジュール
| 月齢の目安 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 生後6〜8週 | 1回目混合ワクチン | 母子免疫が落ち始める時期に初回の刺激を入れる |
| 生後9〜11週 | 2回目混合ワクチン | 1回目でついた免疫を補強し、取りこぼしを減らす |
| 生後12〜16週 | 3回目混合ワクチン | 母子免疫がほぼ切れるタイミングで、しっかり自前免疫を完成させる |
| 生後16週以降 | 狂犬病ワクチン | 法律に基づく接種+市区町村への登録 |
病院によっては、生後6ヶ月前後にもう一度ブースターとしてコアワクチンを打つプランを提案されることもあります。
これは「たまたまそれまでのワクチンが効きにくかった子」の取りこぼしを減らす目的です。
「いつからお散歩OK?」とワクチンの関係
多くの獣医・トレーナーが目安にしているのは、
「最終ワクチンから2週間程度で、免疫が安定してくる」
というポイントです。
ただし、それまで一切外に出さないのは、社会化の観点からは大きなリスク。
このあと詳しく説明しますが、
- 地面に降ろして自由に歩かせるのは、最終接種後しばらく待つ
- それまでは抱っこ散歩や、安全な環境での社会化でカバーする
という「バランス設計」が大切になります。
ローツェ社会化とワクチンプログラムのしがらみだね…
子犬の社会化について詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
どのワクチンを選ぶべき?コアとノンコアの考え方
コアワクチン:すべての犬に推奨される“必須系”
世界的なガイドラインでは、ほぼすべての犬に接種すべきワクチンを「コア」と呼びます。
代表的なコアワクチンは:
ジステンパー
- 咳、鼻水、目ヤニ、下痢、神経症状(けいれんなど)を起こす
- 生き残っても、神経の後遺症や歯の形成異常などが残ることも
パルボウイルス
- 激しい嘔吐と血便、重度の脱水、急激な体重減少
- 特に子犬では致死率が非常に高い
アデノウイルス(CAV-1/2)
- CAV-1:肝炎 → 肝障害、発熱、出血など
- CAV-2:咳や呼吸器症状の一因(ケンネルコフの一部)
狂犬病
- 一度発症すると、犬も人もほぼ100%死亡
- 日本では「生後91日以上の犬」に対して接種と登録が法律で義務づけられています
これらはまずしっかり押さえておくべきワクチンです。
ノンコアワクチン:生活環境・行動範囲で選ぶもの
一方で、その子の生活スタイルや地域のリスクによって接種を検討するものが「ノンコア」です。
レプトスピラ
- ネズミなどの尿で水場が汚染され、そこから感染
- 腎不全・肝不全・黄疸・出血を起こし、人にもうつる可能性のある病気
- 河川敷・田んぼ・水たまり・野生動物が多い地域では、接種が推奨されることが多い
ケンネルコフ関連(ボルデテラ、パラインフルエンザなど)
- いわゆる「犬の風邪」「ケンネルコフ」と呼ばれる咳の症候群の一部
- ドッグラン、ドッグカフェ、ペットホテル、しつけ教室、競技会など、「犬が密集する場所」を頻繁に利用する子は打つメリットが大きい
その他(地域や国によるもの)
- 犬インフルエンザ、ライム病 など
主に海外や特定の地域で問題になる病気
かかりつけ獣医に伝えておくと良い情報
どのワクチンを組み合わせるかを決める時、以下を伝えておくと話がスムーズです。
- 住んでいる地域(都市部/郊外/田舎、水場や野生動物が多いか)
- これからの予定
- ドッグラン、カフェ、ホテル、トレーニング、競技会に行くか
- 完全室内か、アウトドアが多いか
- 多頭飼いかどうか(子犬と成犬が一緒に暮らす場合 など)
ローツェレプトスピラはここ最近発症報告が頻繁にされているから注意が必要だよ!
レプトスピラについて詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
子犬ワクチンの副作用と対処法
「副作用が怖いから、ワクチンをためらっている」という声もよく聞きます。
ここでは、よくある反応と危険なサインをしっかり分けておきましょう。
よく見られる「軽い副反応」
ワクチン接種から24〜48時間くらいのあいだに出やすい反応です。
- 少し元気がない・眠そう
- 食欲がやや落ちる
- 軽い発熱(いつもより体が温かい程度)
- 注射した場所が少し腫れる、触るとイヤがる
これらは、多くの場合、自然におさまる「免疫が働いているサイン」とも言えます。
対処のポイント
- その日は安静を優先(激しい遊び・長時間の散歩は控える)
- お水は飲めているか確認
- ご飯は「食べられる量だけ」でOK(丸一日ほぼ食べない+ぐったりは要注意)
- 注射部位は触りすぎない・揉まない
- 不安な時は、症状と時間経過をメモして病院に電話相談
すぐ病院に連絡すべき危険なサイン
以下のような症状がある場合は、迷わず病院に連絡 → 可能ならすぐ受診してください。
- ぐったりして動かない、立てない
- 顔(まぶた・口まわり・耳など)が急に腫れてきた
- 呼吸が速い・苦しそう・ゼーゼー音がする
- 何度も嘔吐を繰り返す、ひどい下痢
- 歯ぐきや舌の色が白っぽい/紫っぽい
- ふらつき、けいれん
重いアレルギー反応(アナフィラキシー)は、接種後すぐ〜数時間以内に起こることが多いと言われています。
そのため、
ワクチン接種のあと、15〜30分程度は病院内や駐車場で待機
しておくと、万が一の時すぐ対応してもらえます。
副反応リスクを減らすためにできること
- 元気・食欲がしっかりある日に接種する
→ 下痢や嘔吐、体調不良の日は避けて獣医師に相談 - 一度に多くの種類のワクチンや注射を盛り込みすぎない
(フィラリア・ノミダニ・ワクチンなどを同日にまとめ過ぎない) - 過去にアレルギー反応が出たことがある場合は、事前に必ず伝える
- 接種後は激しい運動を避け、ゆっくり様子を見る時間をつくる
ローツェ予防接種をした日は、室内であっても激しい運動は禁止だよ!
ワクチン接種と運動・シャンプーの関係
「ワクチンを打った日はお散歩していい?」「走らせても大丈夫?」日常の運動量が多い子ほど、悩みますよね。
ワクチン後の運動制限の目安
ワクチン接種後、体の中では
- 免疫細胞がワクチン成分をキャッチ
- 全身の免疫システムが「学習モード」に入る
- その結果として発熱・だるさが起こる
という状態です。このタイミングで激しい運動や興奮が加わると、
- 体温の上昇・脱水
- 筋肉や関節へのダメージ
- 免疫の仕事に加えて「運動の修復」まで同時進行になる
など、体への負担が大きくなります。
接種当日
- トイレ散歩程度の短時間・ゆっくり歩きのみ
- ボール遊び・全力ダッシュ・長距離散歩は控える
- 子どもや他犬と激しく遊ばせるのは避ける
接種翌日〜2日目
- 元気・食欲・排泄が普段通りであれば、少しずつ運動量を戻してOK
- ただし、いきなり全力疾走・長距離ランは避ける
- 子犬の場合はそもそも長時間連続運動は負担が大きいので、こまめな休憩を入れる
スポーツ犬・運動量が多い犬の場合
ルアーコーシングやアジリティなど、普段からハイパフォーマンスな運動をしている犬は、
- 最低2〜3日はレース・全力トレーニングを休む
- ウォーキングや軽めの遊びで「心のストレス」をケア
- ワクチンのたびに「軽めの週」を作るイメージで調整
してあげると安心です。
接種後のシャンプーはいつから?
明確な研究データは多くありませんが、多くの獣医・トリミング施設が共通している目安は、
「ワクチン接種から24〜48時間はシャンプーを避ける」
というものです。
理由は、
- 体を濡らすことで体温が下がりやすい
- 注射部位をゴシゴシ洗うと、局所炎症が悪化する可能性
- シャンプーやドライヤーがストレスになりやすい
からです。
どうしても洗いたい場合のポイント
- 2日目以降にする
- 時間はできるだけ短く
- ぬるめのお湯を使う
- 注射した側の肩〜首周りはゴシゴシこすらない
- 体が冷えないよう、しっかりタオルドライ&ドライヤー
先住犬との遊び方をどう調整する?
- 先住犬がワクチン済み&健康 → 一緒に過ごすこと自体は基本OK
- ただし接種当日〜翌日は
- 激しく追いかけっこをさせない
- 子犬が自分から休みたがったらすぐに休ませる
- ソファからのジャンプなど、着地衝撃が大きい遊びは控える
ローツェ先住犬がいる場合は、ワクチン接種日はあまり関わらないようにしてあげてね!
ワクチン完了前から始める「安全な社会化」
社会化の臨界期と「待ちすぎるリスク」
子犬の社会化には、
- 生後3〜12週(〜14週)あたりが性格形成のゴールデンタイム
と言われる「臨界期」があります。
この時期に
- 人
- 他犬
- 生活音
- 乗り物
- さまざまな環境
にポジティブな経験をしないと、
- 怖がり
- 吠え
- 咬み
- 分離不安
などの行動問題につながりやすいことが多くの研究で示されています。
つまり、
「ワクチンが全部終わるまで、一切外に出さない」
という選択は、感染症リスクは減らせても、心の健康面のリスクを大きくしてしまう可能性があるのです。
ワクチンと社会化を両立させる基本方針
ポイントは、
- 「リスクの高い場所には降ろさない」けれど
- 「安全に配慮した範囲では、積極的に外の世界を見せる」
というバランスです。
比較的リスクが低い社会化の例
- 抱っこ散歩(地面には降ろさず、飼い主の腕の中で外の世界を見る)
- 自宅や友人宅など、管理された屋内環境での人慣れ
- 健康でワクチン歴のわかっている先住犬・知り合いの犬とのふれあい
- 病院併設など、衛生管理されたパピークラス
リスクが高い場所
- 不特定多数の犬が集まり、排泄も多いドッグラン
- 清掃が行き届いていない公園の人気エリア
- 身元のわからない犬がたくさん来るイベント
月齢別:社会化とワクチンの両立プラン
生後6〜8週(1回目ワクチン後)
- 抱っこ散歩スタート
- 車・バイク・自転車・人混み・工事現場などを「見せるだけ」
- 怖がらない距離で、フードや優しい声とセットで「いいこと」と結びつける
- 家の中でできる社会化
- 家族以外の人に来てもらう
- 帽子・マスク・サングラス姿の人
- 掃除機・ドライヤー・インターホンの音
生後8〜12週(2回目ワクチン後)
- パピークラス参加(条件を満たせば)
- 衛生管理された場所で、同じ月齢の子犬同士と安全に関わる経験
- 静かな公園に抱っこで行き、人や犬を眺める
- 人通りの少ない場所で、短時間だけ地面に降ろして歩いてみる
(他犬の排泄物が少ないところを選ぶ)
生後12〜16週(3回目前後)
- 汚染リスクが低い場所でのお散歩時間を少しずつ増やす
- ワクチン接種済みの犬と、一緒に歩いたり軽く遊んだりする
- 車や電車など、今後よく使う移動手段に慣れさせる
16週以降(ワクチンシリーズ完了後)
- ドッグラン・ドッグカフェ・イベント・競技会場にチャレンジ
- ただし、最初は短時間+距離をとって様子を見る
慣れてきたら徐々に滞在時間を延ばす
家の中でできる社会化トレーニング
- 体に触れる練習:足先、耳、口まわり、しっぽ、背中、お腹
- 獣医さんチェックに備えて
- 口を軽く開ける
- 耳の中を見るマネ
- 仰向けで体を触る
- クレートやキャリーに入る練習
- 車に乗る練習(短時間のドライブから)
- さまざまな床の感触(フローリング、マット、芝生、砂利)に慣れさせる
これらはすべて、「おやつ」「褒め言葉」とセットで行い、
「新しい刺激 = いいことが起きる」
という印象づけをするのがコツです。
ローツェ子犬のハンドリングについて詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
かかりつけ獣医と一緒に作る「その子だけのプラン」
最後に、ワクチン・運動・社会化のバランスを取るうえで、かかりつけ獣医との連携は欠かせません。
相談するときに伝えたいポイント
- 現在の月齢と、これまで打ったワクチンの種類と回数
- 今後の予定
- ドッグランやカフェ、ペットホテルを利用するか
- スポーツや競技会に参加する予定があるか
- 住んでいる地域の環境
- 水辺の多さ、野生動物・ネズミの多さ など
- これまでに体調を崩したり、アレルギーが出たことがあるか
こうした情報を共有することで、
- ワクチンの種類や本数
- 接種のタイミング
- 接種後の運動量の調整
を、その子に合わせてプランニングしやすくなります。
「セカンドオピニオン」をどう考えるか
- 説明を聞いても腑に落ちない
- 不安や疑問がどうしても残る
- ワクチンプランについて、別の意見も聞いてみたい
そんな時は、別の病院でセカンドオピニオンを受けるのも良い選択です。
その際は、これまでのワクチン接種履歴が分かるもの(証明書など)を持参しましょう。
ローツェ普段から複数の病院にかかっていると、休みが被らないから、急病にも対応できるよ!
まとめ:ワクチンは「命の免疫」と「心の免疫」を両立させるための設計図

子犬の予防接種(ワクチン)スケジュールは、母子免疫が下がり始める時期から生後16週までの複数回接種によって免疫を完成させ、同時にワクチン副作用の見極めや接種後の運動制限・シャンプー制限を理解することで、安全に体のコンディションを整えるプロセスです。
また、社会化の黄金期(生後3〜12週)を逃さず、抱っこ散歩や衛生管理された場所での刺激経験を重ねることは、将来の吠え・恐怖反応・分離不安の予防につながる“心の免疫”づくりでもあります。
つまり、子犬ワクチン時期/副反応/運動制限/社会化はバラバラに考えるのではなく、健康と行動安定を同時に育てる一体の育成設計であり、これを理解することで初めて安心して子犬の成長を導けるようになります。
獣医師と相談し合って、パピーをよい方向に導いてあげてください。
あなたの愛犬が健康に暮らし、あなたと一緒に最高の思い出ができることを願っています。
ローツェ最後まで読んでいただきありがとうございました。
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