

ただ走らせているだけでは記録が伸びない理由を知りたい

スタート前は興奮しているのに、走り出したら意外と弱いんだけど…

途中で集中が落ちたり、1本目と2本目でモチベーション差が出るんだけど…

異常な執着は血統差?それとも作れるの?

捕獲(噛ませる)頻度の正解が分からないんだけど…

1本目の爆発力を2本目・3本目に移せない理由を知りたいんだけど…
こんな疑問・悩みを解決します。
1.ルアー執着は「天性7〜8割×訓練2〜3割」で設計できる
2.ドーパミンと報酬予測誤差が執着を爆発的に強化する
3.「成功20〜30%・未捕獲70〜80%」が執着を最大化する黄金比
4.視認→待機→スタートの順番が本能ドライブを成立させる
5.本番ルアーの“希少価値化”が執着を落とさず長期維持する鍵
6.執着を上げつつ故障・オーバードライブを防ぐ負荷コントロール
この記事では、「ただ走る犬」ではなく、本能で獲物を追い切る“競技モードの執着ランナー”へと育てるための方法を紹介していきます。
記事を読み終えた時に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

なぜ「ルアーへの執着」がタイムを変えるのか
ルアーコーシングにおける「執着」とは?
ルアーコーシングでよく聞く
「あの子はルアーへの執着が異常」
という言葉。
ここでいう「執着」とは、単に「ルアーが好き」「楽しそうに走る」というレベルではなく、
- スタート前からルアーを目でロックし続ける
- スタートの合図と同時に爆発的に飛び出す
- 走行中、一瞬もルアーから目をそらさない
- 捕獲後も離そうとせず、なお追い続けようとする
といった、獲物を仕留めることに人生を賭けているようなモードのことです。
タイムに影響するのは筋力やフォームだけではありません。
「どれだけ本気でルアーを獲物だと信じているか」、つまりメンタルのドライブが大きく関わります。
捕食行動の流れとルアーコーシング
犬の「狩り」は、ざっくり次のような固定パターン(捕食シークエンス)で構成されています。
- 探索(周囲を見回す・匂いを嗅ぐ)
- 視認(獲物を見つける)
- 追跡(全力で追う)
- 捕獲(噛みつく)
- 解体・摂食(振り回す・かじる など)
ルアーコーシングは、このうち「視認 → 追跡 → 捕獲」 を人為的に切り出したスポーツです。
つまり、ルアーへの執着を高めるというのは、
- 視認した瞬間に「絶対に捕まえる」とスイッチが入る
- 追跡中は余計な刺激が入らないほど集中している
- 捕獲した瞬間に「最高の快感」が訪れる
という 捕食シークエンスの質を上げる作業 だと考えると分かりやすくなります。
ローツェ私はルアーに対する執着のみで走ってるよ!
ルアーへの執着は天性か?訓練でどこまで伸びる?
天性(遺伝)の占める割合
結論から言うと、
- 天性(遺伝的な捕食ドライブ)…7〜8割
- 環境・トレーニング …2〜3割
くらいの感覚で考えておくと現実的です。
サイトハウンドは元々、視覚で獲物を追い、俊足で追い詰め、仕留めるために作られてきました。
そのため、
- 動くものを見つけるのが異常に早い
- 一度ロックした獲物から目を離さない
- 全力疾走と急旋回に適した身体構造を持っている
という「捕食特化の設計」がすでに組み込まれています。
さらにその中でも、
- ルアーを「ただのビニール」ではなく「獲物」と認識する個体
- 途中で諦めず、何度も何度も追おうとする個体
は、遺伝的に“獲物スイッチ”が強く入るタイプです。
トレーニングで変えられる部分
とはいえ、トレーニングで伸ばせる部分も多くあります。
- スタート合図への反応速度
- スタート前の集中力
- ルアーへの「期待感」の高め方
- 途中でペースを落とさない粘り
- 捕獲後の「もっと追いたい」という余韻
これらは、「刺激の入れ方」と「成功体験の頻度」を設計することで、かなり変えることができます。
ポイントは、
「好きにさせる」のではなく、
「中毒レベルにハマらせる」設計にする
という視点です。
ローツェ私のルアーへの執着心はどこからきてるんだろ!?
脳内で何が起きている?ドーパミンと報酬予測誤差
「期待」と「快感」は別物
ルアーへの執着を理解するうえで押さえておきたいのが、
- ドーパミン:期待の物質
- オピオイド系:快感の物質
という役割の違いです。
ルアーを追っている最中に強く働いているのは、主にドーパミン。
これは「今度こそ捕まえられるかもしれない」という期待を増幅します。
一方、捕まえて噛んだ瞬間に「うわ、最高」と感じさせるのが、脳内のオピオイド系の快感です。
報酬予測誤差とは?
近年の脳科学では、ドーパミンは
「どれくらい良いことが起きると期待していたか」と「実際にどれくらい良いことが起きたか」
の “誤差” をコードしていることが分かっています。
- 予想より良かった → ドーパミン大放出(またやりたい!)
- 予想通り → 変化なし(だんだん慣れてくる)
- 予想より悪かった → ドーパミン低下(やる気ダウン)
この「予測誤差」をうまく利用することで、ルアーへの執着を爆発的に高めることが可能になります。
ローツェ科学の力で速くなれるかもね!?
執着を最大化する「成功25%ルール」
毎回捕らせると、それは「おもちゃ」になる
よくやってしまいがちなのが、
- 練習のたびに毎回しっかり捕らせてあげる
- 噛んでからも引っ張りっこを続ける
- 何本も連続で走らせ、そのたびに捕らせる
というやり方です。
一見「楽しい経験が増えるから良さそう」に見えますが、脳内の報酬システム的には逆効果になることがあります。
毎回必ず捕れるルアーは、犬にとって
「やれば当然捕れるもの」=「ただの遊び・おもちゃ」
になってしまい、「どうしても捕りたい獲物」ではなくなってしまうからです。
逆に、全然捕れないとどうなるか
では、完全に「逃げ切る」設定で、絶対に捕れないようにしてしまうとどうなるでしょうか?
この場合、
- 何度追っても成功しない
- 成功イメージが脳内で作れない
- 「やっても無駄」という学習が起きる
という流れで、挑戦する気持ち自体が折れてしまう危険があります。
中毒化を生むのは「たまにしか捕れない獲物」
行動学では、報酬を与える頻度をコントロールすることで、行動の粘り強さや中毒性を変えられることが知られています。
特に、
- 多くは外れるけれど、たまに当たる
- いつ当たるか分からない
という「ギャンブル的な報酬スケジュール」は、行動を非常に粘り強く、熱狂的に続けさせることが分かっています。
これをルアーコーシングに応用すると、
「だいたいは捕れないけれど、たまにだけ捕れるルアー」
という設定が、最も執着を高めやすい設計になる、ということです。
「成功率20〜30%」を目安にする
実践上の目安としておすすめなのが、
- 3〜4本走ったら、捕獲成功は1本だけ
- 日によっては 全部未捕獲 にしてもOK(ただし連日続けない)
というイメージです。
1セッションの中で、体感として
- 失敗(捕れない):70〜80%
- 成功(捕れる):20〜30%
くらいにしておくと、「次こそは!」という 期待の炎が消えずに燃え続ける状態を作りやすくなります。
ローツェ成功体験25%の理論はここからきてるんだね!
具体的なトレーニング設計:1セッションのプロトコル
ここからは、実際の練習で、どうやって「執着が高まるセッション」を組み立てるかを、できるだけ具体的に解説します。
① 事前アップ(5〜10分)
いきなり全力疾走させるのは、ケガのリスクも高く、筋肉の働きも十分に引き出せません。
- 5〜10分程度のウォーキング
- 軽いトロット(小走り)
- その場でのターン・方向転換
などを行い、全身を温めてからルアーに入ります。
このとき、まだルアーを見せすぎないのがポイントです。
アップ中からルアーを見せて興奮のピークを使い切ってしまうと、肝心のスタート時にドライブが落ちてしまいます。
② 視認刺激(ルアーを3秒だけ見せて消す)
アップが終わったら、ここで初めてルアーをしっかり見せる時間を作ります。
やり方
- 犬と一緒にスタート位置近くへ移動
- ルアーが少し動き出すところを、正面からハッキリ見せる
- 2〜3秒ほど視認させたら、ルアーを止めたり、視界から外したりする
- その状態から、スタートポジションにセット
これにより、
- 「動いたのに捕れなかった」
- 「でも確かにそこに獲物がいた」
という未充足の期待状態を作ることができ、スタート時のドライブが一段階上がります。
③ ラン1本目:長め直線・未捕獲
1本目は、捕獲しない前提のウォーミングアップ兼ドライブ増幅ランです。
- 距離:60〜80m程度の直線
- ルアー速度:犬が本気で追っても ギリギリ追いつかないスピード
- 絶対に捕らせない
狙いは、
- 全力で追わせて「本気スイッチ」を入れる
- それでも捕れない「悔しさ」を残す
ことです。
④ ラン2本目:カーブあり・未捕獲
2本目は、「逃げる獲物らしさ」を強調するランです。
- 距離:70〜100m
- コース:S字や直角ターンを2〜3回入れる
- ここでも基本は未捕獲
これにより、
- ただの直線ダッシュではなく「獲物を追っている感覚」が強化される
- カーブや減速〜再加速の身体操作も自然に身についてくる
というメリットもあります。
⑤ ラン3本目:短め&失速 → 捕獲 → 即終了
3本目は、この日の神引きガチャです。
- 距離:40〜60m
- 終盤でルアーをわざと失速させる
- 犬が自力で追いつき、しっかり噛めるようにする
- 咥えた瞬間、その日のルアーコーシングは 完全終了
ここで大事なのは、
- 人がルアーを手渡ししない(「自分で仕留めた」感覚を大事にする)
- 捕獲後に、そのまま引っ張り合いを長くしない
- 「まだ物足りない」「もっとやりたい」うちに終わらせる
という3点です。
⑥ クールダウンと「終わりの儀式」
捕獲後は、すぐにその日のルアーは回収し、ゆっくりと歩いて呼吸と心拍を落とす時間を取りましょう。
- 5〜10分程度のウォーク
- 落ち着いた声かけ
- 必要なら軽いストレッチやマッサージ
この「終わり方」が、次回以降の執着にも影響します。
- ヘロヘロに疲れ切った状態で終わる
→ 「ルアー=しんどい」の記憶が残り、ドライブが落ちやすい - 少し余力があるうちに終わる
→ 「まだ行けるのに!」という未充足感が残り、次回の意欲が高まる
ローツェ楽しいうちに切り上げて、いい思い出で次のトレーニングにいこうね!
視認角度と待機時間で“ドライブを盛る”テクニック
ルアーの見え方でスタートの質が変わる
犬がルアーを見る角度は、意外と重要です。
おすすめの視認角度
- 犬の正面〜進行方向と ±15〜30°以内
- できるだけ「真正面に逃げていく獲物」として見える位置
真横から遠くを横切るルアーは、「自分の獲物」という意識が弱くなる場合があります。
スタート時には、
- 犬の正面方向にルアーラインを通す
- スタート前に一度しっかり視認させる
- そこから数秒待たせてからスタート
という手順を踏むことで、視覚→期待→爆発 の流れをきれいに作ることができます。
待機時間の扱い方
待機中の扱いひとつでも、執着の質は変わります。
NG例
- 待機中もずっとルアーが見えている位置にいる
- 他の犬が走っているルアーを近くで長時間見続ける
→ 興奮がピークを超え、イライラ・吠え・リード噛みなどの「フラストレーション行動」が強くなりすぎることがあります。
OKな流れ
- 待機中は、ルアーが見えない位置で落ち着いて過ごす
- 自分の番が近づいてきたら、初めてルアーが見える位置へ
- 視認 → 数秒の“焦らし → スタート
このように、「見えない時間」と「見える時間」を切り分けることで、スタート時のドライブをコントロールしやすくなります。
ローツェルアーコーシングの日は、車のクレートの中で待機して、出走前までルアーを極力見ないようにしているよ!
日常生活でルアーの価値を落とさない工夫
本物のルアーは“特別な存在”にしておく
ルアーへの執着を高めたいなら、日常の遊びの中で本番ルアーと同じものを使いすぎないことが大切です。
避けたいこと
- コーシング用のルアー(ビニール・布)と同じ素材のおもちゃで毎日遊ぶ
- ビニール袋を振り回して追わせる遊びを日常的に行う
- 家で「捕った後の引っ張り合い」を長時間行う
こうした遊びを頻繁に行うと、「本物のルアー」もただのおもちゃの延長線上になってしまい、特別感・希少性がなくなります。
代わりに使いたい遊び道具
- ボール
- ディスク
- ラバートイ
- ロープトイ(ただしコーシングの直前・直後には使いすぎない)
など、獲物カテゴリが違う遊び道具をメインに使うことで、本番ルアーの価値を守ることができます。
もしどうしても「ルアーっぽい遊び」を入れたい場合は、
- 回数:週1回程度
- 時間:ごく短時間
- 直後に満腹にさせない
など、「特別なご褒美」として扱う意識を持つと良いでしょう。
ローツェ私は普段のトレーニングには、チャキットで遠投してもらってボールを追いかけているよ!
チャキットについて詳しく書いてる記事があるからよかったら見てね!
オーバードライブと故障を防ぐためのチェックポイント
ルアーへの執着を高めることは、同時にオーバードライブ(興奮過多)やケガのリスクとも隣り合わせです。
身体のサイン
練習後〜翌日にかけて、次のようなサインがないか確認しましょう。
- 片足だけかばうような歩き方をしている
- 段差やソファに登るのを嫌がる
- 触られると嫌がる部位がある(肩・腰・太ももなど)
- 起き上がりが普段よりゆっくりでぎこちない
これらが見られる場合は、次のルアー練習を一度休む・走行本数を減らすなど、負荷を調整することが大切です。
メンタルのサイン
メンタル面でも、次のような変化がないか観察します。
- ルアー場所以外でも常にピリピリしている
- 他犬や人に対して攻撃的になってきた
- 以前より休もうとしなくなり、常に何かを追いかけようとする
- 逆に、突然スタートを渋るようになった
- ルアーから目をそらす・集中しきれない様子が出てきた
これらは、
- 刺激が強すぎてストレスになっている
- どこか痛みを抱えていて、脳が「避けたい」と感じている
などのサインである可能性があります。
「執着を上げる」よりも、「長く健康に走り続けられる」ことが最優先です。
違和感を感じたら、思い切って休ませる勇気も必要です。
ローツェ愛犬をよく観察してあげてね!
すでに執着が強い犬(ハイドライブ犬)への注意点
もともとルアーへの執着が非常に強い犬の場合、トレーニングでさらにドライブを上げる際には、特に注意が必要です。
刺激を上げすぎない
- 捕獲成功率:20〜25%程度で十分
- 1セッションの本数:2〜3本まで
- 週あたりのセッション数:2回まで(大会週は1回でも可)
「まだ走れそうだからもう1本」は、短期的には楽しいかもしれませんが、
- 筋肉・腱への負荷増大
- 興奮のコントロール困難
- ルアーを見ると我を忘れるような状態
につながりやすくなります。
「物足りない」で終わらせる勇気
ハイドライブな犬ほど、
「まだ行けるのに…」
というところで終わらせることが、次回以降の爆発力を保つ秘訣になります。
「今日はここまでね」と区切ることで、
- 身体を守る
- メンタルのドライブを保つ
- 飼い主自身も余裕を持って犬を観察できる
というメリットが得られます。
ローツェ完全燃焼させちゃダメだよ!
まとめ|ルアーへの“執着”は設計できる

ルアーコーシングにおける本当の速さと安定した集中力を生むのは、筋力や走行本数ではなく「ルアーへの執着設計」です。
特に、ルアー執着・成功率20〜30%・報酬予測誤差・視認刺激・未充足で終わらせるという科学的根拠に基づいた組み立て方を行うことで、犬は単なるダッシュではなく「獲物を狩り切るための走り」を獲得します。
また、本番ルアーの希少価値化と負荷調整により、長期的にパフォーマンスを落とさず、安全に本能ドライブを維持することが可能になります。
ルアーを「遊び」ではなく「狩猟対象」として脳に固定するこのアプローチこそが、最終的なタイム更新と競技耐性の鍵です。
愛犬と楽しみながら、執着を増幅させていってあげてください。
あなたの愛犬が健康に暮らし、あなたと一緒に最高の思い出ができることを願っています。
ローツェ最後まで読んでいただきありがとうございました。
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